政商 2017 7 23

書名 習近平vs.トランプ
著者 遠藤 誉  飛鳥新社

 著者は、「まえがき」で、こう書いています。
「アメリカが、中国寄りの発言に傾き始めた主な要因は、
背後にヘンリー・キッシンジャー元国務長官がいるからだ。
 ペンシルバニア大学のアーサー・ウォルドロン教授によれば、
キッシンジャーは『キッシンジャー・アソシエイツというコンサルティング会社に、
多くの国からの顧客を抱え、
その国のためにアメリカという国家を動かしている。
膨大な金が入ってくるが、
見返りが最も大きいのは、圧倒的に中国で、
ロシアも相当なもの』とのこと」
(引用、以上)
 著者は、キッシンジャー氏の荒稼ぎに驚いていますが、
昔の日本には、このような人は、多かったと思います。
 こういう人たちを日本では「政商」と呼んでいましたので、
それほど驚くほどではありません。
キッシンジャー氏は、世界最強の政商かもしれません。
 もう一つ、引用しましょう。
「重慶市の書記だった薄熙来が、
ひょっとしたら中国の次のリーダーになるのではないかとみなされていた時期の2011年6月29日に、
キッシンジャーが重慶市を訪問した。
 この日、薄熙来は、10万人の参加者を集めて、
重慶で「中華紅歌会」という「紅い歌」を歌う大会を開催した。
 この大会にキッシンジャーは参加して、
薄熙来を絶賛するスピーチをしている」
(引用、以上)
 著者は、キッシンジャー氏に対して、
「中国をわかっているようで、実はわかっていないことが、
この行動によって判断できる」と書いています。
 しかしながら、これは、やむを得ないことでしょう。
欧米人にとって、「漢字」は、極めて高い「ハードル」となっています。
 生まれた時から「漢字」に囲まれて育った日本人と違って、
欧米人には、「漢字」が宇宙人の文字のように見えます。
 中国文化は、漢字を深く理解できないと、
往々にして「勘違い」が起こるのです。
 これは、日本人が欧米文化を深いところまで理解できないことと同じです。
欧米文化の底流には、キリスト教やユダヤ教があります。
 だからこそ、ハリウッド映画に出てくる俳優の「何気ないセリフ」にも、
「新約聖書の、あの部分を引用している」、
あるいは、「今度は、旧約聖書から引用した」という具合に、
日常的な会話にも、聖書は浸透しています。
 また、映画の中で、俳優たちが会話をしている部屋をよく見ると、
部屋の調度品になかに、キリスト教やユダヤ教を象徴する調度品が写っていることがあります。
 日本人から見ると、「何の変哲もない調度品」に見えますが、
キリスト教やユダヤ教から見ると、非常に意味ある調度品です。
 参考までに、旧約聖書の一節を書いておきます。
旧約聖書は、示唆に富むと言えるでしょう。
たまに、パラパラとめくって、開いたところに、興味深いヒントがあることがあります。
 分厚い旧約聖書を最初から読む必要はありません。
たまたま開いたページが、今のあなたにとって、興味深いヒントになることがあるのです。
旧約聖書 「エゼキエル書」
 エゼキエルは、谷で、たくさんの人骨を見つけます。
そこで、エゼキエルは、神から言われたとおり、このようなことを言うのです。
「枯れた骨よ。
主の言葉を聞け。
主は、こう言われる。
見よ、私は、お前たちに魂を吹き込む。
すると、お前たちは生き返るだろう。」
 エゼキエルが、こう言うと、不思議なことに、
カタカタと音を立てて、骨が集まってきて、
その骨の上に、筋肉がついてきて、さらに皮膚までできたのです。
そして、その肉体に、魂が吹き込まれると、
人間として甦ったのです。
































































































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